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(事前確認の申出)

5-1

 

(1)

非居住者の納税地の所轄税務署長は、非居住者から次に掲げる事項に係る事前確認の申出がなされた場合には、これを収受する。ただし、ロに掲げる事項に係る事前確認の申出は、イに掲げる事項に係る事前確認の申出がなされる場合に限り、これを収受する。

イ

内部取引に係る独立企業間価格の算定方法及びその具体的内容(以下この章において「独立企業間価格の算定方法等」という。)

ロ

恒久的施設帰属資本相当額の計算における比較対象者(法施行令第292条の3第2項第2号イ(恒久的施設に帰せられるべき純資産に対応する負債の利子の必要経費不算入)に規定する比較対象者をいう。以下この章において同じ。)

(2)

事前確認の申出は、事前確認を受けようとする年分(以下「確認対象年分」という。)のうち最初の年分の開始の日までに、確認対象年分、事前確認を受けようとする内部取引(以下この章において「確認対象内部取引」という。)、確認対象内部取引の相手方となる事業場等及び確認対象内部取引に係る独立企業間価格の算定方法等並びに事前確認を受けようとする恒久的施設帰属資本相当額の計算における比較対象者をその事業場等の所在する国又は地域ごとに「個人の内部取引等に係る事前確認の申出書」(別紙様式1。以下「確認申出書」という。)に記載して、当該確認申出書を所轄税務署長に提出することにより行うものとする。

(注)

確認対象年分のうち最初の年分の開始の日が日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)(以下「祝日法」という。)に規定する休日その他一般の休日又は国税通則法施行令第2条第2項(期限の特例)に規定する日に当たるときは、これらの日の翌日までに提出することにより行うものとする。

(3)

確認申出書の提出部数は、3部(相互協議を求める場合には4部)とする。以下5-2の資料、5-7の書類及び5-8の取下書の提出部数についても同様とする。

(資料の添付)

5-2

 

(1)

所轄税務署長は、事前確認の申出を行う非居住者(以下この章において「確認申出非居住者」という。)に対し、確認申出書に次に掲げる資料を添付するよう求める。

イ

確認対象内部取引の内容、当該確認対象内部取引の流れ及びその詳細を記載した資料

ロ

確認対象内部取引に係る恒久的施設及びその事業場等が当該確認対象内部取引において果たす機能に関連する部門の概要及び業務の内容を記載した資料

ハ

確認対象内部取引について、恒久的施設及びその事業場等における機能及び事実の分析のため、恒久的施設及びその事業場等の果たす機能、帰せられるリスク、使用する資産、外部取引、内部取引その他の恒久的施設帰属所得の認識に影響を与える状況を明らかにする資料

ニ

確認対象内部取引に係る独立企業間価格の算定方法等及びそれが最も適切な方法であることを説明した資料

ホ

事前確認の申出に係る恒久的施設帰属資本相当額の計算における比較対象者の選定に係る事項及び当該比較対象者が適切であることを説明した資料(5-1(1)ロに掲げる事項に係る事前確認の申出を行う場合に限る。以下ヌにおいて同じ。)

ヘ

事前確認を行い、かつ、事前確認を継続する上で前提となる重要な事業上又は経済上の諸条件(条件に相当する確認対象内部取引に係る経済事情その他の要因等を含む。以下この章において同じ。)に関する資料

ト

確認対象内部取引に係る恒久的施設及びその事業場等の過去3年分の営業及び経理の状況その他事業の内容を明らかにした資料(確認対象内部取引が新規事業又は新規製品に係るものであり、過去3年分の資料を提出できない場合には、将来の事業計画、事業予測の資料など、これに代替するもの)

チ

確認対象内部取引の相手方となる事業場等について、その事業場等が所在する国又は地域で、措置法第41条の19の5(国外所得金額の計算の特例)に相当する制度等に基づき、調査、不服申立て又は訴訟等が行われている場合には、その概要及び過去の課税状況を記載した資料

リ

確認対象内部取引に係る独立企業間価格の算定方法等を確認対象年分前3年分に適用した場合の結果など確認対象内部取引に係る独立企業間価格の算定方法等を具体的に説明するために必要な資料

ヌ

事前確認の申出に係る恒久的施設帰属資本相当額の計算における比較対象者を確認対象年分前3年分に適用して、同業個人比準法(法施行令第292条の3第2項第2号(恒久的施設に帰せられるべき純資産に対応する負債の利子の必要経費不算入)に規定する方法をいう。以下この章において同じ。)又は簿価資産資本比率比準法(同条第3項第2号に規定する方法をいう。以下この章において同じ。)により、恒久的施設帰属資本相当額を計算した場合の結果など確認申出非居住者が申し出た当該比較対象者を具体的に説明するために必要な資料

ル

その他事前確認に当たり必要な資料

(注)

ト又はリに掲げる資料については、確認対象内部取引に係る製品のライフサイクル等を考慮した場合に、3年分に係る資料では十分な事前確認審査を行うことができないと認められるときは、局個人課税課は、確認申出非居住者に対し、これらに加え、その前2年分に係る資料の提出を求める。

(2)

確認申出非居住者が確認申出書に(1)に掲げる資料の添付を怠った場合には、5-14(4)及び5-14(5)の取扱いに基づき事前確認できない旨の通知を行うのであるが、(1)に掲げる資料の一部につき添付がなかったことについて相当の理由があると認められるときは、局個人課税課の判断により、当該資料の作成等に通常要すると認められる期間を限度として当該通知を行わないことができる。この場合において、局個人課税課は、当該確認申出非居住者に対し当該期間を明示するとともに、その間事前確認審査を保留するかどうかについて説明する。

(翻訳文の添付)

5-3

署個人課税部門は、確認申出書に添付された資料のうち、外国語で記載されたものがある場合には、確認申出非居住者に対して日本語による翻訳文を添付するよう求める。

(確認申出書の補正)

5-4

署個人課税部門は、収受した確認申出書の記載事項について記載誤り若しくは記載漏れがないかどうか又は5-2(1)に掲げる資料が添付されているかどうか等について検討し、不備がある場合には、確認申出非居住者に対して補正を求める。

(確認申出書の送付等)

5-5

署個人課税部門は、収受した確認申出書2部(確認申出非居住者が相互協議を求めている場合には3部)を速やかに局個人課税課に送付し、局個人課税課は、うち1部(確認申出非居住者が相互協議を求めている場合には2部)を速やかに庁個人課税課に送付する。庁個人課税課は、確認申出非居住者が相互協議を求めている場合には、送付された当該確認申出書1部を庁相互協議室に回付する。

(確認対象年分)

5-6

確認対象年分は、原則として3年分から5年分とする。

(事前確認の申出の修正)

5-7

確認申出非居住者から事前確認の申出の修正に係る書類の提出があった場合には、5-4及び5-5の取扱いに準じて処理を行う。

(事前確認の申出の取下げ)

5-8

確認申出非居住者から事前確認の申出の取下書の提出があった場合には、5-4及び5-5の取扱いに準じて処理を行う。

(事前相談)

5-9

 

(1)

局個人課税課は、非居住者から事前相談があった場合には、これに応ずる。この場合、局個人課税課からの連絡を受け、庁個人課税課(相互協議を伴う事前確認に係る事前相談にあっては、庁相互協議室を含む。以下(2)において同じ。)は、原則として、これに加わる。

(2)

事前相談は、事前確認の要否を検討する非居住者と税務当局の双方が申出について基本的な理解を共有するためのものであり、この事前相談によって非居住者における効率的な必要資料の作成及び申出後の事前確認審査の円滑化・迅速化に資するものであることを踏まえ、局個人課税課(事前相談に加わる庁個人課税課を含む。以下(3)において同じ。)は次の点に留意して相談に応ずる。

イ

確認申出書の添付資料の作成要領、提出期限その他事前確認に係る手続に必要な事項を事前相談時に十分に説明する。

ロ

事前相談の内容を的確に把握し、事前確認の申出を行うかどうか又はどのような申出を行うかについて当該非居住者が適切に判断するために必要な情報の提供に努める。

(3)

局個人課税課は、相談を行おうとする非居住者が提示又は提出した資料の範囲内で事前相談に応ずる。
なお、事前相談の内容に応じ、必要な資料の提示又は提出がない場合には、当該非居住者に対し十分な相談に応ずることができない旨を説明する。
また、例えば、事前相談の内容が5-13(1)イに掲げる場合には、当該非居住者に対し、その内容に修正等がない限り事前確認の申出を行っても事前確認ができない旨を説明する。

(4)

(1)の事前相談において、5-2(1)に掲げる資料の添付に係る相談があり、確認申出書の提出期限までに当該資料の一部を提出できないことについて相当の理由があると認められる場合には、5-2(2)の取扱いに準じて取り扱う。

(事前確認審査)

5-10

局個人課税課は、非居住者から事前確認の申出を受けた場合には、次により事前確認審査を行う。

(1)

局個人課税課は、速やかに当該申出に係る事前確認審査に着手し、事案の複雑性・困難性に応じたメリハリのある事前確認審査を行い、的確・迅速な事務処理に努める。また、庁個人課税課は、必要に応じ事前確認審査に加わる。
なお、事前確認審査を迅速に進めるためには、確認申出非居住者の協力が不可欠であることから、確認申出非居住者に対しその旨を説明し、理解を求める。

(2)

局個人課税課は、原則として第2章(非居住者の恒久的施設帰属所得に係る調査)及び第3章(非居住者の内部取引に係る独立企業間価格の算定)の取扱いの例により事前確認審査を行う。
なお、事前確認審査は、調査には該当しないことに留意する。

(3)

局個人課税課は、事前確認審査のため、5-2(1)に掲げる資料以外の資料が必要と認められる場合には、確認申出非居住者に対しその旨を説明し、当該資料の提出を求める。
なお、事前確認審査の迅速化の観点から、局個人課税課は、当該資料の提出を求めるときは、当該資料の提出の準備に通常要する日数を勘案して、当該資料の提出期限を設定する。

(4)

局個人課税課は、確認申出非居住者が申し出た内部取引に係る独立企業間価格の算定方法等が最も適切な方法であると認められない場合又は確認申出非居住者が申し出た恒久的施設帰属資本相当額の計算における比較対象者が適切であると認められない場合には、当該確認申出非居住者に対し、申出の修正を求めることができる。

(5)

庁個人課税課は、必要に応じ、局個人課税課に対し事前確認審査の状況等について報告を求める。

(事前確認に係る相互協議)

5-11

 

(1)

局個人課税課は、確認申出非居住者が事前確認について相互協議を求める意思を有すると認められる場合には、相手国等(平成13年6月25日付官協1-39ほか7課共同「相互協議の手続について」(事務運営指針)1ロ(用語の意義)に定める相手国等をいう。)の税務当局に相互協議の申立て及び事前確認の申出に相当する申出を行うよう勧奨する。

(2)

局個人課税課は、非居住者が外国の税務当局に事前相談に相当する相談又は事前確認の申出に相当する申出を行っていることを把握した場合には、当該非居住者に対し、我が国にも速やかに事前相談又は事前確認の申出を行うよう勧奨する。

(局個人課税課又は庁個人課税課と庁相互協議室との協議・連絡)

5-12

 

(1)

確認申出非居住者が事前確認について相互協議を求める場合には、局個人課税課又は庁個人課税課は、必要に応じ、庁相互協議室と協議を行う。

(2)

確認申出非居住者が事前確認について相互協議を求める場合において、局個人課税課は、事前確認審査を了したときは、庁個人課税課を通じて事前確認の申出に対する意見を庁相互協議室に連絡する。
また、庁相互協議室は、事前確認の申出に係る相互協議の結果を庁個人課税課を通じて局個人課税課に連絡する。

(事前確認を行うことが適当でない場合)

5-13

事前確認審査に当たっては、次の(1)又は(2)に定めるところにより適切に対応することに留意する。

(1)

例えば、次に掲げるような場合で、事前確認を行うことが適当でないと認められる事前確認の申出については、局個人課税課は、庁個人課税課(相互協議を伴う事前確認の申出にあっては、庁相互協議室を含む。以下(2)において同じ。)と協議の上、確認申出非居住者に対して申出の修正等を求め、当該確認申出非居住者がこれに応じないときは事前確認できない旨を当該確認申出非居住者に説明する。

イ

非関連者の間では通常行われない形態の取引に相当する内部取引を確認対象内部取引とすること等により、経済上の合理的な理由なく我が国での租税負担が軽減されることとなると認められる場合

ロ

確認申出非居住者が、事前確認審査に必要な情報を提供しない等、当該確認申出非居住者から協力が得られないことにより、事前確認審査に支障が生じている場合

(2)

例えば、次に掲げるような場合で、事前確認審査を開始又は継続することが適当でないと認められる事前確認の申出については、局個人課税課は、庁個人課税課と協議の上、確認申出非居住者に対し、事前確認審査を開始又は再開できる時期が到来するまでの間、当該事前確認に係る手続を保留する旨を説明する。

イ

確認申出非居住者から、措置法第40条の3の3第1項(非居住者の内部取引に係る課税の特例)の規定に基づく更正等に係る内部取引と同様の内部取引を確認対象とする申出がなされている場合において、当該更正等に係る不服申立て又は訴えについての決定若しくは裁決又は判決の確定を待って事前確認審査を行う必要があると認められるとき

ロ

確認申出非居住者から、確認対象内部取引以外の内部取引に係る事前確認の申出及び相互協議の申立てがなされている場合において、当該相互協議の合意を待って当該確認対象内部取引に係る事前確認審査を行う必要があると認められるとき

ハ

5-2(1)ト括弧書に定める将来の事業計画、事業予測の資料等のみでは事業活動の実態を把握できないため、確認対象内部取引に係る事実又は状況が確定するのを待って事前確認審査を行う必要があると認められるとき

ニ

確認申出非居住者から、恒久的施設帰属資本相当額の計算における比較対象者に係る事前確認の申出がなされている場合において、当該申出に係る比較対象者の選定と同様の内容を有する他の事例における更正等に係る不服申立て、訴えについての決定、裁決若しくは判決の確定又は相互協議の合意を待って当該申出に係る事前確認審査を行う必要があると認められるとき

(事前確認審査の結果の通知)

5-14

 

(1)

局個人課税課は、相互協議を伴う事前確認の申出につき、庁個人課税課を通じて庁相互協議室から相互協議の合意結果について通知を受けた場合には、当該合意結果に従い、確認申出非居住者に対し当該申出の修正を求める等所要の処理を行った上で、当該合意結果に基づき事前確認する旨を速やかに所轄税務署長に連絡する。

(2)

局個人課税課は、相互協議を伴う事前確認の申出につき、庁個人課税課を通じて庁相互協議室から相互協議の合意が成立しなかった旨の通知を受けた場合には、確認申出非居住者から当該申出を取り下げるか又は相互協議によることなく事前確認を受けるかについて意見を聴取し、5-8又は(3)若しくは(4)に定める処理を速やかに行う。

(3)

局個人課税課は、相互協議を伴わない事前確認の申出につき、事前確認審査の結果、確認申出非居住者が申し出た内部取引に係る独立企業間価格の算定方法等が最も適切な方法であると認められる場合(5-1(1)ロに掲げる事項について事前確認の申出を行っている場合においては、当該内部取引に係る独立企業間価格の算定方法等が最も適切な方法であると認められ、かつ、当該確認申出非居住者が申し出た恒久的施設帰属資本相当額の計算における比較対象者が適切であると認められるときに限る。)には、確認申出非居住者の当該申出の内容を確認する旨を速やかに所轄税務署長に連絡する。

(4)

局個人課税課は、事前確認審査の結果、確認申出非居住者が申し出た内部取引に係る独立企業間価格の算定方法等が最も適切な方法であると認められない場合若しくは恒久的施設帰属資本相当額の計算における比較対象者が適切であると認められない場合又は確認申出非居住者が5-2(1)に掲げる資料の添付を怠った場合、5-10(3)に定める資料の提出に応じない場合若しくは5-13(1)の定めに基づき事前確認できないと判断した場合には、庁個人課税課(相互協議を伴う事前確認の申出にあっては、庁相互協議室を含む。)と協議の上、当該内部取引に係る独立企業間価格の算定方法等又は当該恒久的施設帰属資本相当額の計算における比較対象者を事前確認できない旨を速やかに所轄税務署長に連絡する。

(5)

所轄税務署長は、局個人課税課から(1)若しくは(3)又は(4)の連絡を受けた場合には、確認申出非居住者に対し、「個人の内部取引等に係る事前確認の通知書」(別紙様式2)又は「個人の内部取引等に係る事前確認ができない旨の通知書」(別紙様式3)により事前確認する旨又は事前確認できない旨の通知を速やかに行う。

(事前確認の効果)

5-15

所轄税務署長は、5-14(5)の取扱いにより事前確認する旨の通知を受けた非居住者(以下この章において「確認非居住者」という。)が事前確認を受けた各年分(以下この章において「確認年分」という。)において、事前確認を受けた内部取引(以下この章において「確認内部取引」という。)について事前確認の内容に適合した申告を行っている場合には、当該確認内部取引は独立企業間価格で行われたものとして取り扱う。また、確認非居住者が恒久的施設帰属資本相当額の計算における比較対象者について事前確認を受けた場合において、当該確認非居住者が当該事前確認の内容に適合した比較対象者を用いて、同業個人比準法又は簿価資産資本比率比準法により、恒久的施設帰属資本相当額を計算しているときは、当該同業個人比準法又は簿価資産資本比率比準法の適用における比較対象者は適正なものとして取り扱う。
なお、事前確認する旨の通知があった時に既に経過した確認年分がある場合において、当該通知又は局個人課税課による行政指導により当該確認年分に係る申告を事前確認の内容に適合させるために確認非居住者が自主的に提出する修正申告書は、国税通則法第65条第5項(過少申告加算税)に規定する「更正があるべきことを予知してされたもの」には該当しないことに留意する。

(報告書の提出)

5-16

所轄税務署長は、確認非居住者に対し、確認年分の確定申告書の提出期限又は当該所轄税務署長があらかじめ定める期限までに、次の事項を記載した資料を添付した「個人の内部取引等に係る事前確認の報告書」(別紙様式4)を提出するよう求める。
なお、当該報告書の提出部数は、3部とする。

(1)

確認非居住者が確認内部取引について事前確認の内容に適合した申告を行っていることの説明又は確認非居住者が事前確認の内容に適合した比較対象者を用いて恒久的施設帰属資本相当額を計算していることの説明(確認非居住者が5-1(1)ロに定める比較対象者について事前確認を受けた場合に限る。)

(2)

確認非居住者の恒久的施設及びその事業場等の確認内部取引に係る損益の明細並びに当該損益の額の計算の過程を記載した書類(事前確認の内容により局個人課税課が必要と認める場合に限る。)

(3)

事前確認の前提となった重要な事業上又は経済上の諸条件の変動の有無に関する説明

(4)

確認内部取引の対価の額とした額が事前確認の内容に適合しなかった場合に、確認非居住者が行った5-18(2)に定める対価の額とした額の調整の説明

(5)

確認内部取引に係る恒久的施設及びその事業場等の財務状況

(6)

その他確認年分において事前確認の内容に適合した申告が行われているかどうかを検討する上で参考となる事項

(注)

当該所轄税務署長があらかじめ定める期限が日曜日、祝日法に規定する休日その他一般の休日又は国税通則法施行令第2条第2項(期限の特例)に規定する日に当たるときは、これらの日の翌日までに提出するよう求める。

(報告書の取扱い)

5-17

 

(1)

確認非居住者から、5-16に定める報告書の提出があった場合には、署個人課税部門は5-4及び5-5の取扱いに準じて処理を行う。

(2)

局個人課税課は、当該報告書に基づき、次に掲げる事項について検討する。

イ

確認内部取引について事前確認の内容に適合した申告が行われているかどうか

ロ

同業個人比準法又は簿価資産資本比率比準法により恒久的施設帰属資本相当額を計算している場合に、事前確認の内容に適合した比較対象者を用いているかどうか(確認非居住者が5-1(1)ロに定める比較対象者について事前確認を受けた場合に限る。)

(3)

局個人課税課は、当該報告書の検討において、確認非居住者に接触する場合には、原則として、行政指導として行うことに留意し、確認年分において(2)に掲げる事項について事前確認の内容に適合した申告が行われておらず、恒久的施設帰属所得に係る各種所得の金額が過少となっていると疑われる場合には、当該確認非居住者に対して自発的な見直しを要請した上で必要に応じて修正申告書の自発的な提出を要請する。
確認非居住者が行政指導に応じない場合には、調査に移行することに留意し、局個人課税課は国税通則法に規定する調査手続に従って調査を実施する。また、局個人課税課は、調査の結果、確認年分において(2)に掲げる事項について事前確認の内容に適合した申告が行われておらず、恒久的施設帰属所得に係る各種所得の金額が過少となっている事実が判明した場合には、当該確認非居住者に対し調査の結果を説明した上で修正申告書の提出が必要となる旨を説明する。
なお、確認非居住者に対し調査又は行政指導に当たる行為を行う際は、対面、電話、書面等の態様を問わず、いずれの事務として行うかを明示した上で、それぞれの行為を法令等に基づき適正に行うことに留意する。

(注)

局個人課税課による行政指導により、当該確認非居住者が自主的に修正申告書を提出する場合には、当該修正申告書は、国税通則法第65条第5項(過少申告加算税)に規定する「更正があるべきことを予知してされたもの」には該当しないことに留意する。

(4)

局個人課税課は、必要に応じ当該報告書の検討結果を庁個人課税課に報告し、相互協議の合意が成立した事案については庁個人課税課を通じて検討結果を庁相互協議室に連絡する。

(事前確認に基づく調整等)

5-18

 

(1)

所轄税務署長は、確認非居住者が確認内部取引の対価の額とした額を事前確認の内容に適合した額とするために、当該確認非居住者の恒久的施設帰属所得に係る事業等に関して作成する帳簿、当該帳簿に基づいて作成する法第120条第4項(確定所得申告)に規定するその年中の総収入金額及び必要経費の内容を記載した書類及び法施行規則第61条(貸借対照表及び損益計算書)に規定する貸借対照表及び損益計算書に計上することにより行う必要な調整は、恒久的施設帰属所得に係る各種所得の金額の算定上適正な内部取引として取り扱う。

(2)

局個人課税課は、(1)の調整を行うことができなかった場合における確認非居住者が確認内部取引の対価の額とした額の調整(以下5-18において「補償調整」という。)について、次の処理を行うよう指導する。

イ

確認非居住者は、確認年分に係る確定申告前に、確認内部取引の対価の額とした額が事前確認の内容に適合していないことにより恒久的施設帰属所得に係る各種所得の金額が過少となることが判明した場合には、申告調整により当該恒久的施設帰属所得に係る各種所得の金額を修正する。

ロ

確認非居住者は、確認年分に係る確定申告後に、確認内部取引の対価の額とした額が事前確認の内容に適合していないことにより恒久的施設帰属所得に係る各種所得の金額が過少となっていたことが判明した場合には、速やかに修正申告書を提出する。

ハ

確認非居住者は、確認年分に係る確定申告前に、確認内部取引の対価の額とした額が相互協議の合意が成立した事前確認の内容に適合していないことにより恒久的施設帰属所得に係る各種所得の金額が過大となることが判明した場合には、申告調整により当該恒久的施設帰属所得に係る各種所得の金額を修正することができる。

ニ

確認非居住者は、確認年分に係る確定申告後に、確認内部取引の対価の額とした額が相互協議の合意が成立した事前確認の内容に適合していないことにより恒久的施設帰属所得に係る各種所得の金額が過大となっていたことが判明した場合には、補償調整に係る相互協議の合意内容に従い、国税通則法第23条第2項(更正の請求)の規定に基づき更正の請求を行うことができる。

(事前確認の改定)

5-19

確認非居住者から、確認年分のうちのいずれかの年分において、事前確認を継続する上で前提となる重要な事業上又は経済上の諸条件等について事情の変更が生じたことにより事前確認の改定の申出がなされた場合には、5-1から5-18までの取扱いに準じて所要の処理を行う。

(事前確認の取消し)

5-20

 

(1)

局個人課税課は、次のイからハまでに該当する場合には、それぞれの事実の発生した年分以後の確認年分について、ニに該当する場合には確認年分について、事前確認を取り消す旨を所轄税務署長に連絡する。

イ

確認非居住者が5-19に定める事情の変更が生じたにもかかわらず事前確認の改定の申出を行わなかった場合

ロ

確認非居住者が確認内部取引について事前確認の内容に適合した申告を行わなかった場合

ハ

確認非居住者が5-16に定める報告書を提出しなかった場合又は当該報告書に重大な誤りがあった場合

ニ

事前確認の基礎とした事実関係が真実でない場合又は事前確認の申出の内容に重大な誤りがあった場合

(2)

(1)の取消しの連絡を行う場合、局個人課税課は必要に応じ庁個人課税課と協議を行う。

(3)

相互協議の合意が成立した事前確認について(1)の取消事由が生じている場合には、局個人課税課は、庁個人課税課を通じ、庁相互協議室と協議し、当該事前確認につき事前確認を取り消す旨の相互協議の合意を受け、その旨を所轄税務署長に連絡する。

(4)

所轄税務署長は、局個人課税課からの連絡を受け事前確認を取り消す場合には、確認非居住者に対し、「個人の内部取引等に係る事前確認の取消通知書」(別紙様式5)により事前確認を取り消す旨の通知を行う。

(事前確認の更新)

5-21

確認非居住者から事前確認の更新の申出がなされた場合には、5-1から5-20までの取扱いに準じて所要の処理を行う。

(確認対象年分前の各年分への準用)

5-22

確認申出非居住者から確認対象年分における事前確認の内容を確認対象年分前の各年分に準用したい旨の申出があった場合において、その事前確認の申出が相互協議の申立てを伴うものであって、当該申出に係る独立企業間価格の算定方法等が確認対象年分前の各年分においても最も適切な方法であると認められるとき及び当該申出に係る恒久的施設帰属資本相当額の計算における比較対象者が確認対象年分前の各年分においても適切と認められるときは、5-14、5-15、5-18及び5-20の取扱いに準じて所要の処理を行う。

(注)

本文の取扱いにより事前確認の内容を準用することができる年分は、平成29年以後に開始する年分に限ることに留意する。

(事前確認の申出と調査との関係)

5-23

 

(1)

調査は、事前確認の申出により中断されない。

(2)

調査に当たっては、確認申出非居住者から事前確認審査のために収受した資料(事実に関するものを除く。)を使用しない。ただし、当該資料を使用することについて当該確認申出非居住者の同意があるときは、この限りではない。